▼アクアスフィア ★★★★
 (AquaSphere)
版元:H@LL Games
著者:Stefan Feld
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エッセンで一番の目的(だった)と言っても過言ではないステファン・フェルト氏の新作「アクアスフィア」
フェルトは今年Aleaからも「ラ・イスラ」を発表しており、今年2つ目の作品です。
氏の作品は多要素、多コンポーネントの作品が多いため、年間に複数の作品を発表できる創造性は本当に素晴らしいと思います。

アクアスフィアはフェルトのゲームとしてはめずらしい(初の)ロボットや潜水艦、プログラミングといったSFチックな題材のゲームで、ワーカーとなるロボットにまず実行したいアクションを1手番費やしてプログラミングしてからアクションを実行する超変則的なワーカープレイスメントとなっています。
そういう意味では同氏の作品である「ルナ」に最もプレイ感が近いかもしれません。ルナとアクアスフィアは版元がH@LL Gamesという点も共通していますが…… H@LLではこの路線でいくのでしょうか?

さて、ゲームの内容としては、プレイヤーは研究者となって深海探索をし、知識をいかに集められるかを競います。勝利点=知識点という図式です。ゲームは4ラウンド。1ラウンドは全プレイヤーがパスをした時点で終わります。また、パスが早かったプレイヤーほど、次のラウンドで先手番になる仕組みです。

珍しくフェルトトラックはありません。

フィールドは大きく分けて「研究施設」「指令室」「研究室(プレイヤー固有)」と、プレイヤー固有ボードの4つに分かれていて、プレイヤーは手番に「プログラミング」もしくは「プログラムの実行」のどちらかを選択して行います。

プログラミングは「指令室」に配置された科学者を目的のアクションアイコンが置かれた場所に移動させることで完成します。アクションは6+1種類の計7種類あり、指令室にはアクションアイコンがツリー状に配置されます。

ルートを上手く選択しないと実行したいアクションアイコンに辿りつけないうえ、1手番に1スペースずつしか進めないため、目的のアクションのプログラムがすぐに出来るとは限りません。

ルート分岐は毎ラウンド変更となり、次のラウンドの分岐は見えている状態でゲームを行います。
故に、今のラウンドだけではなく、次のラウンドを見通した戦略を求められると言えるでしょう。

プログラミングが終れば、次の手番以降でプログラムした「アクション」を行うことができます。
研究施設内に点在するアクションスペースへ科学者を移動させ、プログラムスペース(プレイヤーボード)に配置されたロボットをアクションスペースのある区画へ派遣することでアクションを行うことが出来ますが、ロボットを派遣することでその区画は派遣したプレイヤーが「管理する区画」となり、メリットと場合によってはデメリットが発生します。

ただ闇雲にアクションを行えば良いと言うわけではなく、アクションは行う場所やタイミングも重要になっており、この辺りはフェルトっぽさが香るところです。

アクションを実行することで、ゲームを有利に運ぶことができる「開発カード」を得たり、侵入してきた深海ダコ(?)を撃退したり、研究室を拡大してリソースの所持上限を上げたり、潜水艦を製造して勝利点を得たり……と、さまざまな恩恵が得られます。

その中でも目新しいのは、クリスタルの存在で、このクリスタルもアクションで得ることができますが、クリスタルは所持しているだけで得点になるうえに、得点の上限解除をするために必要なマストアイテムとなっています。

アクアスフィアの得点ボードは12~13点ごとにマスが赤線で区切られており、これを超えるためにはクリスタルを消費するか、既にプログラムされているロボットをリソースへ戻す(要は1手番無駄にする)ことが必要となります。どちらか消費することができなければ、いくら得点行動を行っても点数は一向に入りません。
なかなか悩ましいシステムです。

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また、フェルトっぽさと言えば、前述した深海ダコ(?)「オクタポット」の存在で、退治すれば勝利点が得られますが、放置してしまうと、ラウンド終了後に放置されたオクタポットの居る区画を管理しているプレイヤーにマイナス点(ペナルティ)が発生します。

このような「ノルマとペナルティ」もフェルトの面影を感じます。

ゲーム終了時には研究室の完成度(と内容)や潜水艦の配置状況、などの得点が加算されて最も知識点が多かったプレイヤーの勝利となります。

要素は多く、フェルトの中でもアクション(特にプログラミングの流れ)はやや理解が難解な部類かと思いますが、ゲームを進めるうちにすんなりと理解できる「いつものフェルト」がそこにあります。

そして、フェルトの真骨頂、この「だんだん理解する過程」で生まれる
「あれはもっと上手くできた感」&「次はもっと上手くできる感」そこから更に上程の「リプレイ欲」がこれでもかと刺激される造りは流石の一言です。

見た目にも綺麗で、わくわくする本作、是非、プレイの機会があれば遊んでほしい作品です。


そんな感じで、今日も「どうでもいい話」でした。

ではでは :-)