▼ヘルウィグ ★☆
(Hellweg westfalicus)
版元:Spiele aus Timbuktu
著者:Michael Schacht
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大好きなデザイナー「シャハト」の25周年記念作品ということで、とりあえず内容ノールックで購入。

蓋を空けてみればハンザを彷彿とさせるドシンプルな盤面とコンポーネント。
ハンザは好きだけど、ちょっとシンプルすぎやしまいか?などと一抹の不安を抱えつつそれでもシャハトというだけで高いモチベーションを持ってプレイしてみることに。

ゲームは商品売買が目的で、簡単にいえば、3種類ある商品の売買でお金を稼ぐゲーム。
ラウンドは12ラウンド(12ヶ月という設定)で、毎ラウンドまず最初にランダムで「どの商品がどの都市で売れるか」が書かれたカードをめくり、1人ずつ商品の売却を行います。

商品の売却価格は3~5金で設定されており、同じ都市の同じ商品は必ず3~5の3段階の金額で各1回ずつゲームを通じて売られるチャンスがあり、裏を返せば1度出た「都市」と「商品」と「金額」の組み合わせはゲーム終了まで2度と出てこないという仕様です。

基本は指定された都市に指定された商品がなければ売れませんが、荷車で街道をつなぐことで他の都市にある同種の商品を運んできて売ることが可能。上手く街道をつなぎましょうという話。

この売却フェイズを全員が終えると次はアクションフェイズ。
1人ずつ1アクションを実行し、1人2アクション行なったところで1ラウンドが終了となります。

アクションはファミリールール準拠で「商品および荷車の購入」「商品の追加」「荷車の追加」 「交易品の購入」「1金もらう」の5種類。
  •  商品および荷車の購入
    「商品の売却」で使用したカードがそのままアクションスペースとなりワーカープレイスメントの原理で1都市につき1プレイヤーまで商品(と荷車)を購入することができます。

  • 商品の追加
    既に商品を所持している都市に1金払って商品を1つ追加できます

  • 荷車の追加
    既に商品を所持している都市に隣接した街道に1金払って荷車を1つ追加できます

  • 交易品の購入
    指定された金額を支払って交易品カードを購入します
    交易品カードは購入価格より高値でゲーム終了時に売却できます
    またカードには特殊な効果が付与されています

  • 1金もらう
    ストックから1金うけとります

システムは非常にシンプル。
基本、商品を買って(追加して)売るだけです。また、売るために荷車で街道をつなぐだけです。

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※写真はエキスパートルール適用プレイ時のもの

面白さとしては、商品は当然売るとなくなってしまうのですが、狙った都市での商品の「購入」が難しいかつ、商品の「追加」は既に商品が置かれている都市にしかできないため、持てる商品を単純に売ればよいというわけではないものの、もちろん売ればお金になる&お金がそれなりに必要ということもあり、ここから生まれるジレンマがあるところでしょうか。

お金を稼ぐゲーム故に商品の売却は高値であることが望ましいところから、「都市」と「商品」と「金額」の組み合わせが各1しかないことを考えても、正直言って「どの商品が高額で今後売れるか?」「今までに高額が出ていないか?」というカウンティングが必要になってくるように思えますが、ルールを読む限りカウンティングは非推奨で、まあ、カウンティング自体煩雑で難しいですし、なかなか上手く行きません。

そうなると、どの商品がどのくらいの金額で売却できるかは出たとこ勝負なので、街道をなるべくつないでどの都市が来ても同一の商品が売れるようにリスクヘッジに終始するゲームになります。
見えない敵と戦っているようなフワっと感&モヤっと感。

そして、これがまた微妙なのですが、先日プレイしたところ、1種類の商品が購入&追加できる(あるいは売却できる)都市全てを荷車でつないで、ひたすら1種類の商品を追加するだけのプレイでぶっちぎりで勝ててしまいました……

ここまで極端なことをしなくとも、12ラウンドはかなり長く、ゲーム半分を過ぎた辺りから「各プレイヤーある程度リスクヘッジを考慮した盤面」が完成し、変化に乏しくなります。 作業感が否めず、中だるみも……

シャハトだって人の子ですから、凡作も作るでしょうが、25周年記念作品なのにどうしちゃったのよシャハト!というのが感想です。かなり残念。 

一言で言えば「ゲームとしてのキレがない」ですかね。

2回プレイした印象として
1回目は(カウンティング非推奨なため)「ただただリスクヘッジに奔走するゲーム」
2回目は「商品1本に絞って、後半作業で勝てるゲーム」でした。

良くなりそうな雰囲気はあるので残念です。


残念ついでに、
日本語ルールが大きすぎて箱に入らないのも残念です。

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装丁ちゃんと作られているので逆に残念。
印刷ペラ紙とかなら遠慮なく折ってしまいそうですが、結果的に折ったもののちょっと勇気が要りました。そして、厚みがあって綺麗に折れず、2度悲しい想いをしました(泣)


そんな感じで、今日も「どうでもいい話」でした。

ではでは :-)