ゲームマーケットでかにゃたさんが購入していたのでプレイ。
一応、試遊卓でもプレイしましたが、7ラウンドプレイするところを4ラウンドゲームの試遊だったため、ちゃんと7ラウンドやるとどうなるかも評価したいなと。
▼小早川 ★
版元:オインクゲームズ
著者:佐々木隼
1~15の数字の描かれたカードからランダムで1枚ずつ各プレイヤーへ配り、更に1枚、テーブルの中央にオープンした状態でカードを置いてゲームスタート。
プレイヤーは手番が来たら山札の一番上から1枚カードを手札に加えて、2枚の手札から1枚を捨てるか、カードを見ずにオープンし、中央のカードに重ねるかどちらかを行います。
これを時計回りに1巡行い、次に各プレイヤーは手札に残ったカードで勝負をするか決めます。
勝負をするプレイヤーはコインを1枚(7ラウンド目だけ2枚)賭け、勝負せずに下りるプレイヤーはコインを出す必要はありませんが、そのラウンドの勝負には参加できません。
勝負は手札の数字が大きいプレイヤーの勝ちとなりますが、中央にオープンされたカードの数字が勝負したプレイヤーの中で最も数字が小さいプレイヤーに加算されます。
勝利したプレイヤーは、各プレイヤーが賭けたコインを総取りし、更に1枚(7ラウンド目は2枚)場からコインを受け取ることができます。
これを7ラウンド繰り返し最も多くのコインを持っているプレイヤーの勝利となります。
今回は、かにゃたさん、akiさん、私の3人でプレイ。
このゲーム、数字の大きいプレイヤーの勝ちとなりますが、小さい数字を持っていると中央のカード(このカードが小早川だそうです)の数字が加算されるため、こちらのほうが強いです。
故に大きい数が最初に配られるとガッカリします。
最初の手札がずっと10以上で、中央のカードも高めの数字で安定している展開が続き、中央のカードを上書きしても、カードを入れ替えようと引いても、どちらも高め数字しか出ず苦しい展開。
なんとなく、かにゃたさんも同じような状況らしく、2人で勝てないと判断し下りる場面もしばしば。
そういう状況なので、akiさんも勝負に勝ってはいるものの、最低補償の1コインだけ受け取るような展開も。
最終ラウンドの時点で、私9枚、かにゃたさん6枚、akiさん3枚の状況で私はどうしても勝てない手札だったので下り。akiさんはせめて勝たないと3位と言うことで勝負し、結果はかにゃたさんが勝利して4枚獲得した結果、逆転負け。
予想よりちゃんとゲームになっていますが、ハッキリ言ってあまり面白いとは感じませんでした。
「クク」が楽しめる人には楽しいかも?というゲーム。
あたるも八卦、あたらぬも八卦。
割り切ってノイやククくらいシンプルさを追求すればよいのに、賭けの要素を無駄に持ち込んでシンプルさも若干損なっている印象。
手番についても、考えることを要求されるのに、考えた結果が全く報われないゲーム。そういう意味では同社の「藪の中」にも似ている。
また、気になったのは最後の2枚賭けが強すぎる点と、先手番不利と認識しているにも関わらず、なぜ最後手番が全員に渡るシステムにしかなったのかという点。
最後の2枚賭けは捨てるにはあまりにも強すぎるので、普通に考えてプレイできるように2枚残しておくでしょうし、ここで勝てればまず勝てるので、他でどれだけ勝てるかはあまり関係なくなってしまいそうです。
手番については、試遊卓のインストでも仰っていましたが、先手が不利なゲームなので同率の場合は先手勝ちとなっています。にも関わらず、スタートプレイヤーの決め方は「前のラウンドで勝利したプレイヤー」となっていて、確かにスタートプレイヤーは不利なので一見良いように見えますが、2番手以降の有利不利は配慮されていません。
更に、ゲーム性の話ではありませんが、このゲーム真鋳製のコインが付いてきます。
コンポーネントは、そのコインと15枚のカードのみです。
これで2,000円(会場限定特価だそうです)……
(2,500円だったと聞いたのですが、2,000円だったというコメントがあったので確認したところ、会場限定特価で2,000円だったようなので実売価格に合わせ表記を修正いたしました。大変失礼いたしました。ただし、所感に変更はありません)
カードには「小早川」のテーマに沿ったテイストは全く見られず、真鋳製のコインに小早川の家紋が描かれています。この真鋳のコイン要るんでしょうか?
また、「小早川」というテーマが示されている場所が真鋳コインの家紋のみであれば、テーマさえ必要だったのでしょうか?
Twitterでもつぶやきましたが、「ゲームを作る」という一点について、その姿勢に疑問を感じます。
アートワークを女性に受け入れられるようにすることや、テーマにインパクトを持たせることは悪いことではないです。そういう売り方をするのもひとつの方法ですし、方法として正しいと思います。
ただ、それは+αのものであって、あくまで製作しているものがゲームであることを前提に、ゲーム作りに真摯に取り組んだうえですることだと思います。
テーマを据えるなら、その世界観をちゃんとプレイヤーに伝えることが最優先です。ゲームはそのテーマを楽しめるか否かで、同じシステムでも楽しさが段違い。カードのアートワークひとつ取っても数字を分かり難く表記している場合ではありません。正直「手抜き」に見えました。
この点で、既に「デザインを見せたいだけで、ゲームを作る気はないんだな」と感じました。
また、アートワークにこだわる理由として「ボードゲームの裾野を広げたい」という思惑があるのでしょうし、その方法は正しいと思いますが、その思惑と値段がマッチしていません。(ディブディブの時も強烈に同じ事を思いました)
本当に「ボードゲームの裾野を広げたい」と思っているのであれば、ゲームにとって意味の無い真鋳製のコインを作って悪戯に値段を上げる必要はありません。やってることが真逆です。
ラブレターが評価された理由に「安い」という理由は多分にあると思います(それにしても500円は安すぎだとおもいますが)
ただ、単純に安ければ良いと言う意味ではなく、値段以上の満足を提供できているか?という部分が評価されているのでしょう。私もコンテンツの提供をずっとしていましたが、娯楽の提供というのは大抵そのような評価になります。
全く同じ「15枚のカードゲーム」でありながら、一方はコンポーネントを削り、箱さえも削って500円で提供することを選び、一方は無駄に真鋳製のコインをつけて2,000円(会場限定特価)まで値段を上げる。
前述した内容を踏まえ、特に「ゲームに対する価値観が定まっていないユーザ(広げるべき裾野)」に対して、どちらが「ボードゲームの裾野を広げたい」という目的に近いでしょうか?
色々書きましたが実際、作り手の想いは私には分かりません。
しかし、製品から感じるゲームへの姿勢は「オシャレなら高くてもつまらなくても買っちゃうんだろ?」です。
もちろん、ここまで酷い想いは無いと思いますし、無いと信じたいですが、多少なりともその傾向はあると感じます。
もし、そうではないと言うのであれば、ゲームを作る以上、まず「人を楽しませること」を第一とし、いくら綺麗なアートワークであっても、その「楽しませる」ことを阻害するのであれば採用しないという「プライド」を持ってデザインして欲しいです。そのうえで、綺麗なアートワークであれば、これほど素晴らしいことはないですよね。
基本的には、アートワークは美しくあってほしいと思っていますし、その点を否定するものではありません。
余談ですが「タンサンアンドカンパニー」さんはそういう意味で本当のプロだと感じます。
自社製品のポップなテイストを出さずに、ゲームのテイストを尊重した「フォルム・ロマヌム」のアートワークを見たとき、デザインとは「ゲームの世界観を表現するものである」という最もベーシックな想いがちゃんと伝わってきました。もちろん、自社製品についても、ゲームの世界観がちゃんと表現され、機能的にも良いですよね。
奇を衒うのは嫌いじゃありませんが、それはあくまで奇襲であって、ずっと続けるものではありません。
もう一歩ユーザ視点を持って、真摯にゲーム作りに取り組んで貰いたいなと、個人的に思う次第です。
そんな感じで、今日はプレイ日記ついでに「どうでもいいは無し」な感じで書きました。
まあ、ゲームなんですから楽しければ良いだけですし、まずそこからだと思うのですよ。
ではでは。
一応、試遊卓でもプレイしましたが、7ラウンドプレイするところを4ラウンドゲームの試遊だったため、ちゃんと7ラウンドやるとどうなるかも評価したいなと。
▼小早川 ★
版元:オインクゲームズ
著者:佐々木隼
1~15の数字の描かれたカードからランダムで1枚ずつ各プレイヤーへ配り、更に1枚、テーブルの中央にオープンした状態でカードを置いてゲームスタート。
プレイヤーは手番が来たら山札の一番上から1枚カードを手札に加えて、2枚の手札から1枚を捨てるか、カードを見ずにオープンし、中央のカードに重ねるかどちらかを行います。
これを時計回りに1巡行い、次に各プレイヤーは手札に残ったカードで勝負をするか決めます。
勝負をするプレイヤーはコインを1枚(7ラウンド目だけ2枚)賭け、勝負せずに下りるプレイヤーはコインを出す必要はありませんが、そのラウンドの勝負には参加できません。
勝負は手札の数字が大きいプレイヤーの勝ちとなりますが、中央にオープンされたカードの数字が勝負したプレイヤーの中で最も数字が小さいプレイヤーに加算されます。
勝利したプレイヤーは、各プレイヤーが賭けたコインを総取りし、更に1枚(7ラウンド目は2枚)場からコインを受け取ることができます。
これを7ラウンド繰り返し最も多くのコインを持っているプレイヤーの勝利となります。
今回は、かにゃたさん、akiさん、私の3人でプレイ。
このゲーム、数字の大きいプレイヤーの勝ちとなりますが、小さい数字を持っていると中央のカード(このカードが小早川だそうです)の数字が加算されるため、こちらのほうが強いです。
故に大きい数が最初に配られるとガッカリします。
最初の手札がずっと10以上で、中央のカードも高めの数字で安定している展開が続き、中央のカードを上書きしても、カードを入れ替えようと引いても、どちらも高め数字しか出ず苦しい展開。
なんとなく、かにゃたさんも同じような状況らしく、2人で勝てないと判断し下りる場面もしばしば。
そういう状況なので、akiさんも勝負に勝ってはいるものの、最低補償の1コインだけ受け取るような展開も。
最終ラウンドの時点で、私9枚、かにゃたさん6枚、akiさん3枚の状況で私はどうしても勝てない手札だったので下り。akiさんはせめて勝たないと3位と言うことで勝負し、結果はかにゃたさんが勝利して4枚獲得した結果、逆転負け。
予想よりちゃんとゲームになっていますが、ハッキリ言ってあまり面白いとは感じませんでした。
「クク」が楽しめる人には楽しいかも?というゲーム。
あたるも八卦、あたらぬも八卦。
割り切ってノイやククくらいシンプルさを追求すればよいのに、賭けの要素を無駄に持ち込んでシンプルさも若干損なっている印象。
手番についても、考えることを要求されるのに、考えた結果が全く報われないゲーム。そういう意味では同社の「藪の中」にも似ている。
また、気になったのは最後の2枚賭けが強すぎる点と、先手番不利と認識しているにも関わらず、なぜ最後手番が全員に渡るシステムにしかなったのかという点。
最後の2枚賭けは捨てるにはあまりにも強すぎるので、普通に考えてプレイできるように2枚残しておくでしょうし、ここで勝てればまず勝てるので、他でどれだけ勝てるかはあまり関係なくなってしまいそうです。
手番については、試遊卓のインストでも仰っていましたが、先手が不利なゲームなので同率の場合は先手勝ちとなっています。にも関わらず、スタートプレイヤーの決め方は「前のラウンドで勝利したプレイヤー」となっていて、確かにスタートプレイヤーは不利なので一見良いように見えますが、2番手以降の有利不利は配慮されていません。
更に、ゲーム性の話ではありませんが、このゲーム真鋳製のコインが付いてきます。
コンポーネントは、そのコインと15枚のカードのみです。
これで2,000円(会場限定特価だそうです)……
(2,500円だったと聞いたのですが、2,000円だったというコメントがあったので確認したところ、会場限定特価で2,000円だったようなので実売価格に合わせ表記を修正いたしました。大変失礼いたしました。ただし、所感に変更はありません)
カードには「小早川」のテーマに沿ったテイストは全く見られず、真鋳製のコインに小早川の家紋が描かれています。この真鋳のコイン要るんでしょうか?
また、「小早川」というテーマが示されている場所が真鋳コインの家紋のみであれば、テーマさえ必要だったのでしょうか?
Twitterでもつぶやきましたが、「ゲームを作る」という一点について、その姿勢に疑問を感じます。
アートワークを女性に受け入れられるようにすることや、テーマにインパクトを持たせることは悪いことではないです。そういう売り方をするのもひとつの方法ですし、方法として正しいと思います。
ただ、それは+αのものであって、あくまで製作しているものがゲームであることを前提に、ゲーム作りに真摯に取り組んだうえですることだと思います。
テーマを据えるなら、その世界観をちゃんとプレイヤーに伝えることが最優先です。ゲームはそのテーマを楽しめるか否かで、同じシステムでも楽しさが段違い。カードのアートワークひとつ取っても数字を分かり難く表記している場合ではありません。正直「手抜き」に見えました。
この点で、既に「デザインを見せたいだけで、ゲームを作る気はないんだな」と感じました。
また、アートワークにこだわる理由として「ボードゲームの裾野を広げたい」という思惑があるのでしょうし、その方法は正しいと思いますが、その思惑と値段がマッチしていません。(ディブディブの時も強烈に同じ事を思いました)
本当に「ボードゲームの裾野を広げたい」と思っているのであれば、ゲームにとって意味の無い真鋳製のコインを作って悪戯に値段を上げる必要はありません。やってることが真逆です。
ラブレターが評価された理由に「安い」という理由は多分にあると思います(それにしても500円は安すぎだとおもいますが)
ただ、単純に安ければ良いと言う意味ではなく、値段以上の満足を提供できているか?という部分が評価されているのでしょう。私もコンテンツの提供をずっとしていましたが、娯楽の提供というのは大抵そのような評価になります。
全く同じ「15枚のカードゲーム」でありながら、一方はコンポーネントを削り、箱さえも削って500円で提供することを選び、一方は無駄に真鋳製のコインをつけて2,000円(会場限定特価)まで値段を上げる。
前述した内容を踏まえ、特に「ゲームに対する価値観が定まっていないユーザ(広げるべき裾野)」に対して、どちらが「ボードゲームの裾野を広げたい」という目的に近いでしょうか?
色々書きましたが実際、作り手の想いは私には分かりません。
しかし、製品から感じるゲームへの姿勢は「オシャレなら高くてもつまらなくても買っちゃうんだろ?」です。
もちろん、ここまで酷い想いは無いと思いますし、無いと信じたいですが、多少なりともその傾向はあると感じます。
もし、そうではないと言うのであれば、ゲームを作る以上、まず「人を楽しませること」を第一とし、いくら綺麗なアートワークであっても、その「楽しませる」ことを阻害するのであれば採用しないという「プライド」を持ってデザインして欲しいです。そのうえで、綺麗なアートワークであれば、これほど素晴らしいことはないですよね。
基本的には、アートワークは美しくあってほしいと思っていますし、その点を否定するものではありません。
余談ですが「タンサンアンドカンパニー」さんはそういう意味で本当のプロだと感じます。
自社製品のポップなテイストを出さずに、ゲームのテイストを尊重した「フォルム・ロマヌム」のアートワークを見たとき、デザインとは「ゲームの世界観を表現するものである」という最もベーシックな想いがちゃんと伝わってきました。もちろん、自社製品についても、ゲームの世界観がちゃんと表現され、機能的にも良いですよね。
奇を衒うのは嫌いじゃありませんが、それはあくまで奇襲であって、ずっと続けるものではありません。
もう一歩ユーザ視点を持って、真摯にゲーム作りに取り組んで貰いたいなと、個人的に思う次第です。
そんな感じで、今日はプレイ日記ついでに「どうでもいいは無し」な感じで書きました。
まあ、ゲームなんですから楽しければ良いだけですし、まずそこからだと思うのですよ。
ではでは。