▼魚河岸物語 ★★★★
(Fangfrisch)
版元: Queen Games
著者: Andreas Pelikan
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目ヂカラのあるオヤジが両手に魚を携えてドヤ顔しているパッケージが特徴的な「魚河岸物語」
「競りゲーム」ということで苦手ジャンル故避けてきましたが、ルールを読むと簡単で面白そうだったので購入。
 
ゲームは確かに「競り」しかし、競りは競りでも10ユーロ(金単位)固定で、競り対象が時間とともに増えていく変則的なダッチオークションタイプの競りで、相場が非常にわかりやすい。

競る対象はもちろん「魚」(一部無脊髄動物)で、競り落とした魚は自分がオークショニアになった際に売却することができる。オークショニアは時計回りで持ち回り制。

魚は同種類のものをまとめて何匹(1枚のカードには1~3匹の魚が描かれている)売れるかで収益率が変動し、1匹だと1ユーロにしかならないが、6匹売ることで購入時と同じ10ユーロ、10匹(以上)がMAXとなり、売れれば30ユーロ獲得できる。

つまりは、6匹以上にまとめないと単純に利益が出ない。

ここで利益が得られないとオークショニアの際に貰える微々たる労働賃金しか収入が無いためジリ貧となる。
だからと言っていつまでも魚を持ち続けても良いことはない。他のプレイヤーが持っている魚と同種の魚を売却した場合に、1枚カードをゴミ箱に捨てなければならない。捨てたカードは描かれた匹数x1ユーロ、ゲーム終了時にマイナスとなる。 
さらに、魚は3種類しか保持することができないため、3種類を超えた場合もゴミ箱行きとなる。いつまでも魚を持ち続けても更に増えるとは限らず、競りで落とせる魚にも制限がかかってきてしまうため非常に悩ましい。

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競り対象となるカードには、他のプレイヤーからカードを奪う猫のカードや、ゴミ箱のカードを除外するカードなどもあり、これがまた競りを熱くする。

ゲームはカードの山札、最後の5枚中に終了カードが紛れており、めくられたらサドンデス終了となる。
最後まで魚を持ち続けてしまうと「売り逃し」として、通常の半額の価格で買い叩かれてしまうため、終わる前にすべて売却しておきたいところ。

 
はっきり言ってパーティーゲーム寄り。
他のプレイヤーの動向を多少考える必要があるくらいで、あまりガッツリと計算して戦略練って遊ぶようなゲームではないが、「競り」という敷居の高さを感じさせないシンプルなシステムと、枚数によって売価が上がっていくセットコレクション様式に射幸心が非常に心地よいレベルで煽られる「楽しさ」と「緊張」がうまく調和した優秀な作品となっている。

欠点は、プレイヤーがエキサイトしすぎて、チンベルを手で覆うようにガッツリ押してしまい、結果ベルが鳴らないということがしばしばあることくらい……かもしれない。

ボードゲーム初心者にも進められる非常によい作品です。


そんな感じで、今日も「どうでもいい話」でした。

ではでは :-)