▼ブリュッセル1893 ★★★★
 (Bruxelles 1893)
版元:Pearl Games
著者:Etienne Espreman
IMGP4108

アール・ヌーヴォー がどんなものかは解らなくても、なんとなく、このゲームボードにあしらわれているようなアートワークが流行った時代というか運動というかそんな感じで覚えておけばよいのではないか?という秀麗なアートワークと、フェルトと見間違うほどの「とりあえず何をして良いかわからない」から始まる「つまみ食い上等」な盛り沢山な得点につながるシステム。
この融合がブリュッセル1893を形作る。

基本はワーカープレイスメント
毎ラウンド範囲が限定されるアクションスペースにワーカーを配置してアクションを実行していく。
アクションスペースは劇的な可変はしないものの、25あるスペースのなかからラウンドごとに16~9のスペースに使用可能域が変化する。多いときは気にならなくとも、9スペースしか無いときなどはカツカツで実行順を決める際悩ましい。

アクションスペースには5種類のアクションが用意されている
  1. 美術品を得る
  2. 美術品を売る
  3. 資材を得る
  4. 建物を建てる
  5. 人物カードを得る
美術品は一度に1つしか得られないが、多く持っていると売却時に相場をコントロールできるため、比較的容易にお金と勝利点が入ってくる。

資材は、建物を建てるために必要。3種類用意されているが、建物を建てるための必要資材は刻々と変わっていくため、どの資源を得るか狙いを定めるのが意外に難しい。

建物はアクションスペースに建てることで、そのスペースで他のプレイヤーがアクションを行った際におまけアクションを得られる。しかしこれは、その名の通りあくまでおまけ程度。建物の真骨頂はゲーム終了後の勝利点への換算となる。
 
人物は超強力な能力を持っていて、まず獲得時に使用できる。使用した人物カードはそのままホールドすることが出来、ホールドし条件を満たすことで毎ラウンド1枚につき1回まで使用できるが、 ゲーム終了時にカードに規定された金額を支払うことになり、これが支払えなければ勝利点を大きく削られる。諸刃の剣である。

アクションスペースは1ラウンド一ヵ所につき実行できるのは1プレイヤーのみ。
アクションはワーカーと1以上の任意の金を置いて実行していくが、ワーカーの役割はアクションだけではなく隣接する4エリアで最も多くワーカーを置いたプレイヤーにはエリアマジョリティ(最多数)ボーナスとして得点が入り、また、金についても縦列の合計で置いた金の最も多かったプレイヤーにボーナスカードが与えられる競りまで付いてくる。

1アクションを行うだけでも、アクション自体の有用性+エリアマジョリティ+競りという3つの要素を複合的に考えて置く必要があるという、なんともフリークしか喜ばない多要素一元システムとなっている。

しかしこれが面白い。(フリーク的発言)

プレイヤーのジレンマはまだ続く。
競りで獲得したボーナスカードは、インスタントボーナスとしてメリットを得ることも出来るが、インスタントボーナスを放棄して終了時の決算ボーナスの倍率を上げることができるものもある。 
ただ、目先のインスタントボーナスが魅力的過ぎてなかなか埋める決断は出来ない。非常に悩ましい。

アクションスペースに空きが無くなったら何もできないかと言えばそうでもない。
ブリュッセルボードと呼ばれるアクションスペースとは別にあるボード上にも、ワーカーを置くことでアクションを実行できるスペースがある。

このアクションがまた非常に有用で、非常に強力なものもアリ。決して補助的なスペースではない。しかし、ブリュッセルボードに最も多くワーカーを配置したプレイヤーは、ワーカーを1人没収されるペナルティを負ってしまう。同率なら同率のプレイヤー全員が没収となる。また、通常のアクションスペースにあったエリアマジョリティや競りの要素には参加できないといったデメリットも。
このあまりあるデメリットと天秤にかけられるほどのメリットもあり、こちらも非常に悩ましい。

ちなみに、ブリュッセルボード上のアクションスペースは1スペースにつき1ワーカーではなく、既に置かれているワーカーより1つ多いワーカーを配置してアクションを実行することもできる(プレイ人数によって必要ワーカー数は変化)
最近のゲームで言えば炭鉱讃歌に似た方式。もちろん置けるからといってたくさん置いてしまうと、一人だけワーカーが没収されてしまうため、そうそうたくさんは置けない。 どうせ没収されるなら道連れが欲しいのがフリークの心理ではないだろうか。うまくツボを突いている。

ゲームはわずか5ラウンドで行われ、5ラウンド終了後に建物やワーカーの数、人物、美術品、お金、資源について決算を行い、最も得点の多いプレイヤーの勝利となる。

IMGP4104

どこもかしこも「いいどこ取り」

たった5ラウンドなのに先が見えない。恐らく、何れかの得点源に特化しないと勝てないデザインだとは思うのだが、毎ラウンド使用できるアクションスペースが変化するため先の見通しが悪く、ワーカーの数も計算しにくいとあればなかなか上手くは行かない。

ゴチャっとしたゲームデザインなので好き嫌いは別れるかもしれないが、直接的な攻撃ではない他のプレイヤーとのインタラクティブ性に終始想いを馳せる必要があり、非常に悩ましく充実感のあるゲームとなっている。

難点を言えば、充実感の裏に疲労感も伴うことと、ゲームとしての華やかさがないという点。
見た目はそれなりに映えるが、4ラウンド目までの得点が地味なのでゲーム全体も地味な印象に埋まる。

あと、建物の得点が強いので、シェアしながらでは勝てない。建物勝ちしようとしているプレイヤーが居る場合は、敢えて誰かが仕事をしていかないと最後に大量に得点されて簡単にひっくり返される。
この辺りの感覚値が無いと、終わった後に釈然としない後味になるかも知れない。

とはいえ、要素の相関性が本当によく出来ている作品なので、是非遊んでほしい逸品。

値段故かあまり売れていないようで、セール品として売られているという話を聞いて残念に思います。
安かったら狙い目ですよと。


そんな感じで、今日も「どうでもいい話」でした。

ではでは :-)