Dr.クニツィアの「ロイヤルターフ」や、故デロンシュの「マニラ」のようにレースとギャンブルを組合せ名作と呼ばれる作品群に、新たに「キャメルアップ」は追加されるべき作品なのかもしれない。

▼キャメルアップ ★★★★☆
(Camel Up)
版元:Pegasus Spiele
著者:Steffen Bogen
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キャメルアップとのファーストコンタクトはテンデイズゲームズのタマカマさんの熱弁だった。

所用で仕事を早く切り上げたものの、その「所用」がなくなってしまい途方に暮れていたところ、「ルイス&クラーク」の再入荷があることを聞きつけて久しぶりにテンデイズゲームズにお邪魔した際の話。

残念ながら、目当ての「ルイス&クラーク」はまだ店舗に届いておらず雑談に終始する結果に。そこで出てきたゲームが「キャメルアップ」だった。
HJはルイス&クラークの再入荷と同時に新規タイトルとしてキャメルアップ他数点を投入してきていた。これまた店舗には商品が届いていなかったが、タナカマさんはキャメルアップが一押しだと言う。

理由として、昨今の長時間で考えるゲームに食傷気味なプレイヤーが結構な数いるのではないか?と仮説を立て、30分程度で軽く出来て楽しい、そんなキャメルアップは最適だと言っていた。
正直、私は興味は若干そそられながらも話半分くらいに聞いていた。理由はこれと言ってないが、なんとなく題材が「ラクダ」という点で食指が動かなかったからだと思う。

ラクダに全体的なイメージとして華を感じなかった私。

ほどなく帰宅して、購入が叶わなかったルイス&クラークをどうするか?と考えていたところ、バネストさんより入荷連絡があり即カートへシュート。その際、せっかくなので送料無料を考慮し?キャメルアップも一緒にカートの中へ。
きっとタナカマさんの熱弁が無ければ買っていなかったキャメルアップ。食指が動かないと言いつつも、刷りこまれたイメージがマウスを握る右手人差し指をコントロールしていた模様。恐るべし営業トーク。

数日後には受け取って、早速自宅会でプレイしたところ、これが予想に反して(失礼)面白い。

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「冷たい料理の熱い戦い」のようにラクダコマを積み上げ、上段が下段のラクダに寄生する仕様に、「ロイヤルターフ」のように各ラクダ1回ずつダイス目だけ進むことが出来るラクダレース、「マニラ」のように賭けられる項目が複数用意されており、単純にレースの1位を予想するゲームに終始しないギャンブル……と、過去作の色々な要素がまとまっており、これだけでも良作のキャメルアップだが、なんと言ってもこのゲームの根幹にして輝ける「ワンアイディア」として、「砂漠タイル(オアシスタイル)」の存在がある。

タイルは砂漠とオアシスのリバーシ仕様となっているが、特筆すべきは「砂漠」の面で、このタイルをコース上の任意の場所に置くことで、そこに止まったラクダは1歩戻ることになっている。これだけなら特筆するほどのことではないが、この「戻る」仕様は、ラクダの積み上げ仕様に関与し戻ったマスにラクダが居た場合、そのラクダの最下層に戻ったラクダを埋めなければならない。

ラクダは上に居るほど順位も上となるため、砂漠を踏むと場合によっては一気に順位が下がってしまう仕様となっている。

この仕様のお蔭で順位が非常に読み辛く、最後まで予想がいつひっくり返ってもおかしくないスリリングなゲーム展開を担保している。
また、パッと見の印象としてコースの短さが挙がるかも知れないが、砂漠タイルとこのコースの短さは絶妙にマッチしていて、もちろん運要素が強いためアッサリと終わってしまうこともあるものの、大抵はコースと、そこに置かれた砂漠タイルと、積み上げられたラクダを交互に眺めながらダイスの出目について確率計算を行うことになる。
そんな確率計算が脆くも崩れ去る、もしくは読み通りビシッとハマった瞬間がこのゲームのクライマックスだろう。

ガチで重厚なゲームを望むプレイヤーには、ゲームとして多少物足りなさもあるかもしれないが、楽しさという面では30分間充実した楽しさを得られる作品ではないかと思う。
対応人数も8人と多く(ベストは4~5人だろうが)小学生くらいから遊べ、大人もエキサイトできるこのゲームに個人的にはドイツ年間ゲーム大賞受賞を期待したい。

これからもゲーム会で大いに活躍してくれる作品になることうけあい。
箱絵のラクダは冴えないけれど(笑)


そんな感じで、今日も「どうでもいい話」でした。


ではでは :-)