どうでもいい は なし

「調布のあな」のかんちょーこと、川口正志(本名プレイ)がお送りする
「どうでもいい話」or「どうでもいいは無し」
そんな毎日

考察・コラム

マルコポーロの足あとをプレイするまえに

そろそろ国内流通し始めた「マルコポーロの足あと」
いきなりぶっつけ本番もよいですが、ちょっとした予備知識でゲームが面白くなると思うので、その辺りをつらつらと書いてみようかな?と思います。

ただ、実際にルールを知らないと「なんのこっちゃ?」という感じかとも思いますので、2回目のプレイの指針でもいいかもしれません。

興味のある方は、お付き合いいただければ幸いです。(お暇つぶし程度に)

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【いきなり上級ルールで遊ぶ】

ルール量もそれなりにあるゲームなので、まずは基本ルールで......と考えるかもしれませんが、このゲームは是非、上級ルールで最初から遊んでみて欲しいです。

上級ルールと言っても、ゲームの根幹が変わるわけではなく、初期セットアップのルールが3つ変更されるだけです。
  1. 小都市に置かれる収入タイルをランダムに置く
    →基本ルールでは置く場所が指定されています

  2. キャラクターをプレイヤー人数+1枚ランダムに引き、最後手番のプレイヤーから獲得する
    →基本ルールでは、手番により使うキャラクターが指定されています

  3. 目的地カードを4枚配り、内2枚を選んで2枚を捨て札とします
    →基本ルールでは、2枚配るだけです(選択なし)
このセットアップルールの変更で、初期セットアップからより戦略的なゲームが展開されます。


【旅の目的を知る】

このゲームはフレーバーテキストから「旅をするゲーム」という印象を受けますが、旅(移動)をすれば勝てるゲームかと言えばそういうわけではありません。ただ、旅にはさまざまなメリットがあることは確かです。そのメリットと、メリットに割くリソース、もしくはアクション(手番)を天秤にかけて、移動を敢えてしないという選択も時には必要です。

では、旅をすることのメリットはどのようなことがあるのでしょうか?
メリットは以下の5つが挙げられます。
  1. 収入を増やす
    →小都市に商館を建てられれば定期収入が得られるようになります

    恐らくこれがどのようなプレイであっても共通のメリットで、リソースを得る手段が少ない本作にとって、この定期収入は非常に有用かつ重要な要素です。小都市の収入タイルの配置によって戦略が変わってきます。

  2. アクションの幅を広げる
    →大都市に商館を建てられれば、都市のアクションが使えるようになります

    この都市アクションは1ラウンド1回しか発動できないため早い者勝ち。
    アクションの内容によっては一部キャラクターにかなりの恩恵をもたらします。ただ、使用する都市アクションカードはランダムに決められるので、全く機能しない都市アクションばかりになることも......

  3. 目的地の達成
    →目的地を達成することで勝利点を得ます

    3箇所あるいは4箇所ある目的地を達成する(目的地に商館を建てる)ことで、ゲーム終了時に20点前後の点数を得ることができます。ただ、時には諦めることも大切で、目的地1箇所のロスは大体10点前後、カード丸々1枚放棄してもそこから更に3点減るだけなので、移動を何度も費やして目的を達成するより、契約書の達成などで得点した方が効率が良いことも多々あります。この辺の見極めは重要です。

  4. 商館建設ボーナスの達成
    →商館を8個建設で5点、9個建設で更に10点獲得できます

    これは罠です。
    このゲーム、システム上1ラウンドに2回以上移動することが難しい(商館を1ラウンドで2個以上置くのが難しい)ので、全5ラウンドで8個ないし9個の商館を置くのは結構な至難の業です。一部移動が有利なキャラは達成しやすいですが、そういった優遇キャラを持っていない場合は素直に諦めた方が良いでしょう。

  5. 北京到達ボーナスの達成
    →北京に到達することでゲーム終了時に得点があります

    北京到達ボーナスは10→7→3→1と、到達する順番によって目減りしてしまうので、可能であれば10点、もしくは7点くらいは目指し、3位以下であればバッサリ切ることも大切です。
漫然と「移動しなきゃ」「商館建てなきゃ」「目的達成しなきゃ」となってしまうかもしれませんが、「その移動は本当に最多得点行動なのか」「効率的なのか」ということを考えつつ商館を建てる必要があります。......旅(移動アクション)は有限なのです。


【キャラクター選択】

キャラクター選択は上級ルールを用いて、各自選ぶ方式を採って欲しいと前述しました。
ではどのキャラクターを選べばよいのか。少し触れておこうと思います。

あ、キャラの名前は適当です(笑)

ぶっちゃけ、プレイ前でしたら、「ああ、このキャラ強いんだな」程度に流し読んでください(笑)

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実はキャラクターには強さがあると思っていて、ザックリとではありますが、私が考える強さをランク付けしてみました。あくまで私の現時点での所感なので、後々変わっていくかもしれません。
上の画像で上段4枚がAランク、真ん中1枚がBランク、下段3枚がCランクです。

<Aランク>

001黒商館マン
→都市に止まらなくても商館を建てることができ、恩恵を受けられる
→黒い商館を2つ持ち、計11個商館を建てられれば更に+10点

MOSCOWから始まる上段ルートに目的がある場合には、最後手番から(オアシス→MOSCOW→ANXI)の3歩移動で商館を2つ建てに行くパターンが強いです。ANXIの収入タイルが強ければ更に狙う価値あり。他にも、スタート地点に近い大都市にお金補助のアクションがあればかなり有利になります。歩くだけで商館が建てられるということは、収入面でもアクション面でもメリットが大きく、「とりあえず選ぶ」で戦えるキャラになっています。


002白ダイスマン
→ラウンド収入として白いダイスを1個得られる
→ラウンド収入として契約書タイルを1枚得られる

ワーカープレイスメントでワーカーが多いというのはそれだけで高いアドバンテージ!
また、ダイスの色が「白」というのがミソで、同じアクションを2回出来る可能性も。定期収入として契約書も貰えるので、移動はオマケ程度(初手番を取りにいく手段&リソース収入を増やす)にとどめ、契約書達成を主軸に組み立てると強いキャラです。盤面を確認して「ORMUZ」か「ANXI」辺りにリソースもしくは「?」の収入タイルがあればかなり有利に立ち回れるキャラ。もしくは「ALEXANDRIA」「MOSCOW」「SAMARCANDA」辺りにリソース補助のアクションがあれば、そちらも非常に有益かと思います。


003後乗せサクサクマン
→アクションを実行する際に、同アクション2番目以降のコストを払わなくて良い

皇帝の恩寵以外のアクションについて、手番順に心を砕く必要が無く、これによる金銭的メリットも絶大。
ダイス目に左右されますが、大きな目が出れば出るほど強くなります。盤面の形に関わらず強さを発揮するキャラクターで、Aランクの中でも初心者向けかもしれませんが、どこで点を採っていくかの方針はキャラ能力から搾れないので自分で考える必要があります。この辺りで上級者でも面白いキャラとも言えます。


004ドッペルマン
→2つの旅人コマを利用して旅をすることができる(移動アクションを分割)
→ラウンド収入としてラクダを1個得られる

得点力が黒商館マンより弱い(黒商館ボーナスが無い)ので下位互換感は否めませんが、上手く目的地ルートを2本+α程度に収め分割して進められれば、アクションや収入面では引けを取らないかと。むしろ、スタート地点近くに強いアクションや収入が集中していた場合は、2分割して獲得しに行けるため、序盤のアドバンテージは非常に大きくなるかと。ただ、そこは都市アクションカードや収入タイルの引き運なので、やはり黒商館マンの方が安定度は高いかな。


<Bランク>

005ワープマン
→オアシスから任意のオアシスまで1歩でワープできる
→ラウンド収入として3金得られる

一見強い。いや、もちろん弱くは無いのですが...... 
ただ、よくよく考えてみると、オアシスワープするためには、移動が1歩分余計に求められ、結果、移動は常に「3」ないしは「4」まで必要となるため、金銭的コストは割高。故に1歩分の補填として定期収入の3金があるのだと思いますが、3歩移動は金銭的効率が悪く、3金では微妙に損であるため、移動の効率をメリットで相殺することを考えると、かなり計画的な移動が求められます。
また、大都市は良いですが小都市に行きたい場合は、「XIAN」以外ラクダが必要となり、脱出コストも考えるとバカにならなず、なかなか難しいキャラです。
逆に言えば「XIAN」に「?」の収入タイルが配置された場合、序盤で積極的に狙いに行けるのでこのキャラは非常に輝きます。また、北京到達もしやすいので、この辺りを軸に達成ボーナスと収入による契約ボーナスをバランスよく狙っていくキャラとなります。


<Cランク>

006パラサイトマン
→他のプレイヤーが市場アクションを実行した際に、該当するリソースを得る

このキャラが居ると明らかに市場のアクションが絞られてしまうため、キャラクター能力は牽制としてしか機能せず、あまりメリットが無い......という状況に陥りやすいです。
基本スタイルは、得られたリソースで契約を達成していきたいところですが、そこまで盛大にリソースが得られるわけでもなく、中途半端間は否めず。
自ら「皇帝の恩寵」のアクションを絞って市場へ誘導する手もありますが、自分自身、市場を使ったほうがリソースが多く得られるので皇帝の恩寵にそこまでアクションを割けないというジレンマも。
能動的なアクションは無いので、初心者向けかな。 


007北京マン
→北京スタート
→北京到達ボーナス(10点)をスタート時に所持

辛いです。
最初に得られる10点のアドバンテージを守りきれるかだけかなと。
メリットがあるとすれば、大都市の一番乗りボーナスが取り易いくらい。一応、SUMATRAの都市アクションカードが魅力的なら狙う価値はあります。あとは、「XIAN→オアシス→KARACHI」のルートが追加コストの無い凪コースなので、「XIAN」と「KARACHI」に強い都市アクションや収入タイルがあった場合には序盤のアドバンテージを広げられるかもしれません。タイルとアクション次第ですが、そういう意味ではバチっとハマった際には非常に面白いかもしれないキャラ。


IMGP5023ダイス振らないマン
→ダイスを振らず、任意の目を使用できる

一見これも強いのですが、なにせこれだけでは得点に繋がらず、能力によるアドバンテージも他のプレイヤーのダイス目に左右される「相対アドバンテージ」なため、強さが安定しないという面アリ。
初心者向けではありますが、ダイスを振る楽しさはなくなるので、勧めてよいものかも難しいところ。スタート地点付近の大都市の都市アクションカードの能力次第では光るキャラクターになり得ますが、これまた引き運なので、安定はせず。
皇帝の恩寵に常に6を置く嫌がらせで場をかき回すことが、非常にやらしい彼の能力の使い方かも。


基本的に、移動系の能力を持つキャラは、目的地達成と北京ボーナスを狙っていき、それ以外のキャラは契約書メインもしくは、目的地と契約書をバランスよく達成することで得点する形になります。


【強い都市アクションカードをチェック】 

都市アクションカードは毎回ランダムで盤面に配置されていきます。この都市カードの能力は結構軽視されがち。枚数が大都市の配置数以上にあるので、カードの配置自体にも当たり外れがありますので、「当たり」のカードをいくつか覚えておくことで、戦略を考えるとより面白くなるかと思います。


<お金補填系>
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資源をお金に変換していくものが強く、単純に金額が大きいものが強いです。
ダイスの目罰x2金のアクションは得られる金額こそ少ないですが、リソースを必要としない=アクション数の削減になるため強いです。


<移動系>

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移動の回数はかなり限られるため、ダイス1個+リソースで追加の移動を得られるのは非常に強いです。
特にラクダで移動できるアクションは、狙い易く重宝します。

他にもラクダとリソースの交換など強いものがあるので、ゲーム開始時には必ず全ての大都市のアクションカードに目を通すクセをつけると良いかもしれません。


なんとなく思いつく部分だけザックリと。プレイ開始前の予備知識でした。

こんな予備知識が無くても楽しく遊べますので、どうぞ、気負うことなく週末は「マルコポーロの足あとライフ」をお過ごしくださいませ。


そんな感じで、今日も「どうでもいい話」でした。

ではでは :-)





 

個人的新作雑感

2014年10月のエッセンから、現在に至るまでの新作を今年は結構遊べているので
現時点での個人的オススメランキングをつらつらと。

あくまで、個人の主観となりますので、参考程度に斜め読みいただければ幸いです。

2014年ドイツにて発売されたものに限っておりますので、「グラスロード」と「カヴェルナ」は入れていません(どちらも2013年のエッセン発)また、「ラ・グランハ」を入れようか迷いましたが、これは2014年発売であるものの、エッセン前に限定売り切りでエッセンの会場にて販売実績が無いので省きました。

逆に、エッセン会場にて販売実績がありませんが「枯山水」は一応入れてみました。あまり深い意味はないです。
もうひとつ、「エッセン・ザ・ゲーム」は、エッセンに行ったことがあるか無いかでかなり楽しさの質が変わるゲームだと感じたのでなんとなく並べず。

所持 未プレイ 「アークライト」「エルガウチョ」「パナマックス」 やらねば……

文章はとりあえずつらつら書いたので、時間を見て細かい修正をするかと思います。時間を空けて見た方が読み易くなっているかもしれません(笑)




01.ディ・スタウファー
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ハンザ・テウトニカの作者による古き良きドイツゲームの系譜。基本はエリアマジョリティだが、宝箱タイルや最終決算で使用する目標カードなど他にも得点源あり。リソースの運用と回収の導線が美しく、また手番順の決定プロセスも秀逸。悩ましさ満載、でもプレイ時間は1時間前後で比較的手軽。
コンポーネントも美しく欠点は25点区切りの得点ボードくらいしか無い。今期最もオススメできるゲーム。


02.工房の錬金術師
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基本はマスターマインド(推理ゲーム)でありながら、「P.I.」のように「全ての解を当てたら勝ち」というわけではなく、「分かったところからいかに上手く得点に繋げるかを考えるゲーム」となっている。時にはハッタリも必要で、間違い=即負けという従来の図式と違うのがミソ。
プロット形式のアクションは、いずれも先手番が有利となるが先手番を取るためにはリソースの獲得との天秤となるため悩ましく、システムも秀逸。
欠点は、1時間半はかかるであろうインストの長さと、ポーション売却のアクションの面倒くささくらい。
スマホを使った調合判定も楽しく、是非遊んでみてもらいたいゲーム。


03.マングロービア
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運の要素が適度に絡むが、基本は「どこでしゃがんで、どこで点を獲りに行くか」をアクションと手番順を考慮しながら選択していくゲーム。
手番順とアクションの相関性が美しく、正に「あちらを立てればこちらが立たず」で悩ましい。システム自体は難しくないので、軽いゲームから中量級へのステップとして使うのもアリ。人を選ばずオススメできるゲーム。


04.春秋戦国
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春秋戦国時代終焉後、まだ戦乱冷めやらぬ諸国を統治することを目的としたゲーム。
システムは簡単で、カードを寝かしてアクションに紐付く恩恵を増やすか、カードを使ってアクションをするかの2択のみ。しかし、アクションから生まれる得点源が多岐にわたるため非常にフリーク向けの重量級作品となっている。
故に、まったくもって重ゲー好きにしか勧められないが、今期の重ゲーの中では最も輝いている作品と感じる。
あれもこれも出来るようで出来ない、出来ないようで出来るそんな気持ちのいい作品。


05.黄金時代
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「簡易版シヴィライゼーション」としばしば比喩される作品。シヴィほど戦闘がシビアではなく、戦闘回数も上限があるため、ギスギスしたゲームにはならないところがGOOD。戦闘自体も比重が軽く、基本は自国の文明を発達させていかに資源を有利に換金していくかのゲーム。リソースの概念をバッサリとっぱらい、全て「金」で解決する潔さも良く、小難しく感じさせないプレイ感を実現している。オススメ。


06.カンバン
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「黄金時代」が「ゲームのスリム化」を図った作品とすれば、「カンバン」はその対極で、あらゆる要素を詰め込んで「見た者が敬遠するようなルール」を用意し、その実、その多要素をプレイ上ではスッキリとまとめて消化しやすく仕上げているという「二郎のラーメン」のような作品。
変則的なワーカープレイスメントで、現ラウンドのアクション(行動順)が次のラウンドでどのアクションが取れるかに関わってくるので、先を見越したアクションの運用が肝。とにかく1度目は何かしらルールの抜けが出る可能性が高いので、是非2回遊ぶか、経験者を交えてプレイして欲しい作品。


07.アクアスフィア
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「フェルト+H@LL=ワーカームーブメント」となっているかは分からないが、ルナに続くワーカームーブメントシステムを採用した作品。ルナに比べると、アクア・スフィアはアクションの制限があるため多少スッキリはしているものの、フェルトお得意の多要素多得点経路は健在で初見さんはサックリ殺されるシステム。見通しの良さに気付くと飛躍的に上手く回せるようになり、これまたフェルトお得意の緻密に計算された得点配分によって「他の戦術も試してみたくなる」リプレイ欲溢れる作品となっている。


08.ラ・イスラ
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「アクア・スフィア」が重いフェルトなら、こちらはフェルトにしてはかなり軽い部類に入る作品。
得点経路は多く用意されているものの、基本コンセプトである「動物の捕獲」がやはり強く、ここが上手くいくかはカード運という点でノットフォーミーとするプレイヤーも多いようだが、これは「フェルト作品」として見ると運要素が高めというだけで、一般的にそこまで運ゲーというわけでもなく、私の周りではライト層にもかなりウケが良い作品。
とはいえ、軽量級とは言い難いので、中量級への階段ゲームという位置づけ。オススメ。


09.リフト・イット!
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通称「おでこクレーン」
必ずしもおでこでクレーン操作するわけではないが、その見た目のインパクトたるや、ルールなんてよくわからなくてもとりあえずインパクトに負けてエッセンの会場で買ってしまったほど。日本に帰ってみれば、私と同じいわば「ジャケ買い」な日本人がワンサカいたという作品。
ルールはややザックリしているものの、単純にアクションゲームとして面白いのでプレイの価値はある。付属のタイマーが時間が来ると跳ねる良くできた仕様だが、壊れやすいのが難点。


10.シェッフェルン
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たまにバネストさんに入荷する伏兵。
プレイヤーは自分の担当する色の車が決まっていて、その車が止まったところにある得点を獲得する。しかし、車は最大2段まで積まれることがあり、自分の車の上に別の車を積まれてしまうと得点の権利を失う(上の車が得点する)という流れ。プレイヤーは手番に手札を表向きに出すか裏向きに出すかしかすることはなく、表向きに出せばカードの色に対応した車を一マスすすめ、裏向きに出した際は場にある担当色のカードと自分の担当色のカードを交換する。本当にこれだけだが、意外と周りのプレイヤーの手札が見えてきたり、その辺読みあいになるので面白い。
ネックはコンポーネントに対するお値段。ゲームは手軽でもお値段は若干重め。


11.オルレアン
12.ヒュペルボレア
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ここはまとめて。(写真はオルレアン)
ほぼ同じシステムと言っていいにも関わらず、同時期に出たという非常に興味深い作品。
オルレアンは円形のチップを手に入れデッキを構築し、ヒュペルボレアはキューブを手に入れてデッキを構築する。
2作品とも構築したデッキは袋から取り出してランダムで使用する流れ。違いは、オルレアンは毎回チップを戻してランダム引きするのに対し、ヒュペルボレアは袋から引ききるまで引いてから袋に戻すドミニオン方式。
ヒュペルボレアは若干戦闘の部分が大味でアメゲー風なプレイ感があり、オルレアンは建物タイルの強弱が顕著で調整不足による大味感がある。一長一短で優劣をつけ難いが、とっつきやすさではオルレアンの方が上か?ということでこの順位。個人的にはシステムだけ見ればヒュペルボレアの方が良い気も。


13.ファイブトライブス
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変則的なマンカラのような動きで得点をより多く得られる最適解を探すゲーム。
このゲームの秀逸なところは、ゲーマーはゲーマーなりに他のプレイヤーとのインタラクション要素満載のディープなゲームが楽しめ、ライト層はライト層で自分の最大利益のみを追求するお手軽なプレイが楽しめるなんとも不思議な棲み分けが自然と出来る仕組み。ライト層とのゲームは40分程度でアッサリ終わります。ゲーマーばかりだと2時間以上かかります(笑)
コンポーネントが凝っているため、ちょっとお値段が張るのがネック。


14.枯山水
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エッセンで売られていたわけではないので入れるかどうか迷いましたが、これを入れずしてなんとやらということで。
見た目の秀逸さで最近YAHOO!ニュースにも登場したタイル配置ゲーム。
ゲーム内容は非常に地味なユーロゲームといった感じですが、その地味さがテーマと合致しておりさほど気にならない強みも。「徳」に絡むシステムにやや大雑把感が否めず、ゲーマーには物足りないかもしれないが、石庭の出来栄えを観るだけでも楽しい作品。


15.ロイヤルス
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一言で言うと「地味」
チケット トゥ ライドのようにカードをため込んで、線路ではなく役職に配置してエリアマジョリティを取るゲーム。前半、中盤、後半で目標が自然とシフトしていくシステムは計算されていて美しいが、全く以て派手さが無いので、結果に対して達成感が薄い。大逆転も無いゲームなので、コツコツと計算しながら得点を重ねて行く。こういうのが好きな人はきっといる良いゲーム。でもやっぱ地味なのでこの辺に位置づけ。


16.ムラーノ
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ブラント夫妻による「ワーカームーブメント」
得点源はすべて手札の目的カードから。お金の取得と目的カードへの幅寄せを同時に行う必要があり、このあたりが楽しさに繋がっている。
欠点らしい欠点はない。非常によくまとまっているが、得点の獲得方法が若干解りづらい点と、他のプレイヤーとの絡みが薄く、ゲームが淡々と進んでしまう点にいまいちテンションが上がりきらないのも事実。
個人的に「誘われれば喜んでプレイするけど、自分から出すにはちょっと迷うな……」という位置づけ。


17.ビースティーバー
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ルールを読んだときに感じたシステムの美しさが、楽しさに直結していないという印象。個人的に総合評価として「悪くない」程度に落ち着く。
特殊能力を持っている動物たちをバンバン出して逆転に次ぐ逆転が楽しそうに想えたが、遊んでみると、確かに逆転に次ぐ逆転ではあるものの、その波乱のお蔭で誰も得点化できずに悲壮感が漂う。
ちょっとした時間つぶしに軽くプレイできれば良いが、全てのカードの能力を把握しないとゲームが出来ないため、インストに若干時間を要するのもマイナス。
でも、ルールは美しい。


18.バイトナイト
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海外で評価が散々。
勝利点の獲得条件が書かれたチップを各プレイヤー同数同内容で持ち、順番に出すことで全員の条件が組み合わされ、時には無効にされ、まあ正直出たとこ勝負で得点が入る。更に得点条件を担うのはアクションゲームで獲得したタイル。早い者勝ち。身内で少し遊んでみたところ、ヘビーゲーマーはそっと閉じ。ライトゲーマーは楽しく遊ぶという対照的な結果に。
個人的には悪くないと思う。アクションが激し過ぎて要爪の手入れですが、パーティーゲームとして全然あり。


19.高松
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日本題材&日本語マニュアル同梱と、日本への猛アピールは好感が持てる(エッセンのブースに日本語話せる人が居たらもっと良かった)
内容はこれまたマンカラ的なアブストラクト。洗面器的な一面もあり、ダウンタイム長め、考えても上手くいかなくて他のプレイヤーにトスして悔しい思いも。
このサイズのゲームとしてはちょっと時間がかかるので手軽感がなく、最終的にはマイナス点を相手に押し付け合うゲームになるため、悔しさはあっても爽快感がないのがマイナス。あと、ルール見ても使い方が書いてない特殊な得点カードがあるのもマイナス要因。悪くはないけど、率先しては立てないレベルに落ち着く。


20.ダンジョン バザー
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ツォルキンコンビ+αによるエッセン新作。
ダンジョンに潜って武器やアクセサリーを集めて冒険者へ売ってお金を稼ぐゲーム。ダンジョンをじっくり探索した方がアイテムは手に入るが、売る順番が後になるため、売りたいアイテムが売れないというジレンマ。これが全て。
何と言っても、カードに酷いミスプリ(裏面の絵が違う)があり、この絵が結構重要な本作に於いてかなりのマイナス。
(とはいえ、メーカーに言えば快く交換してくれます)
これも悪くは無いけど、アクションポイント制のダンジョン攻略がなんだかチマチマした印象もあり、それを補うドラゴンチップの使い方などは逆に大雑把。これまた「悪くない」以上のなにものでもない出来。


21.デウス
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大方の評判を耳にしても個人的にはこの位置。
ゲームとして大雑把過ぎる印象。全ては軍事の有り方。軍事で金が入るのが強いとかいう話ではなく(それも強いけど)そういう強めのアクションもありつつ、一番の残念ポイントは軍事だけに許された移動のアクション。これを入れるだけで飛躍的に選択肢が増える。土地を広げようとしているプレイヤーを阻害できる。盤面ぐちゃぐちゃ。そんなことがまま起きる。基本は他人を邪魔しても良いことが無い「バチバチにならない」デザインになっているが、軍事だけは天然。逆に軍事以外のプレイは地味。カードの運用に関するシステムは良いのに意外と華が無い……そんな作品に感じました。


22.マッシリア
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ここから先は修羅の道。
クラウドファウンディングで集めた資金を持ち逃げされたことで有名な本作は、BGGの評価も去ることながら、評価に違わぬ残念っぷり。まずひとつは、他のプレイヤーを攻撃するアクションが酷い。相場でチマチマと1金2金を稼ぐゲームなのに、攻撃されると大量にお金を失う。下手すると自分の店舗も失う。やったらやり返すしかない。そしてそれは本当に双方手番の無駄。これによりアッサリ逆転も可能。ただし、逆転するのはその報復合戦に参加しなかったプレイヤーが漁夫の利。加えて、ペナルティマーカーなるものがあり、これを引き取ると「恩恵」がある。しかし、その名の通り沢山引き取れば引き取るほどゲーム終了時のペナルティも大きい。でも、「恩恵」が無いと立ち回れないので引き取らざる得ない。心が沈む。最後に、どう考えても使わないアクションがある。無駄。ただのダイス置き場。ペナルティマーカーを使わせるためのエサ。
たった7ラウンドが長く感じるので、プレイする際は心構えを。


23.ヘルウィグ
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修羅の道その2。
大好きなシャハト先生ですが、やっちまった感満載。
以前のエントリで色々書いているので割愛しますが、シャハト氏の25周年記念作品という位置づけも相まって残念に想う作品です。


24.サムライスピリット <写真なし>

修羅の道3

個人的に協力ゲームに魅力をあまり感じないという前提なので、もうちょっと一般的には評価されるかもしれませんが、周囲の反応もこんなものだったので、この位置に。
ボザが「七人の侍」をモチーフに作った、ブラッディロ……獣人化する侍が村を賊から守る協力ゲーム。
キャラクター固有の特殊能力の使いどころが難しく、基本はカードの引き運なので上手く守れても達成感がない。ダメなときと上手くいくときの差が無いため、目標達成できなかったからといって「もう1回!」という気分にならないのが・・・・・・日本題材なので贔屓目に見たいところだが、残念。
エッセンで購入した際、ブースにいたおねーさん達の衣装は可愛かった(←バカ)



本当に個人的な好き嫌い(ゲームの傾向として)もあるので参考程度に!
順位ひとつ二つ違うくらいなら、そんなに大きな差は無いです。
修羅の道に足を踏み入れなければ、比較的下位までそれなりに面白いですよ!

そんな感じで、今日も「どうでもいい話」でした。

ではでは :-)


Mangrovia
Noris Spiele Gmbh
2014-12




レンフィールドと価格のお話

本日、立川のタチキタプリントさんから「レンフィールド」が届きました。

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▼封筒までレンフィールド仕様という懲り様
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▼中には宣伝チラシとオマケのマーカーも
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▼箱は組み立て式なのでカット状の厚紙
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▼ゲーム自体はこんな感じでパッケージングされています
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▼ルールも文字びっしり
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▼組み立てたらこんな感じに
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▼残念ながらマーカーは入りませんでした、仕方なし
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▼カードはちょっと薄めで、雨と湿度のせいかかなり歪んでいて残念
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カードの歪みは乾いたら(?)気にならなくなりました。

また、箱もジョイント部分がギリギリの寸法なので湿気のせいか膨らんでしまって組み立てに苦戦しました。
しかし、出来てみれば想像以上に良い箱です。注文時はキャラメル箱をイメージしていたのですが、そうではなくキャラメル箱より遥かに取り出しやすいです。 

正直ベースで言うと、紙が薄いことや箱の造形など、実際手にして確認するとチープ。ただ、送料込み1,000円なので、本体価格が実質840円と考えれば安い印象です……が、この仕様で名も知れぬ同人作品が1,000円で売られていたとしたら私はちょっと手が出ません。信頼や実績あるメーカーなら◎、そうでないなら△あるいは×といった微妙な仕様です。

ただ、タチキタさんのサイトでも語られていますが、いかに安くゲームを提供できるかにチャレンジしている「試行錯誤の第一歩」として非常に良い試みだなと思いました。 

ボードゲームを普及させるためには価格と向き合うことから逃げてはいけないと思っています。
いままでは海外からの輸入品、もしくはローカライズ品だったため、諸経費が現地価格に乗ってきますから多少高い価格設定は本当に止む無しな部分があったでしょう。

しかし、元々国内のゲームであればその言い訳は通じません。国内の同人が盛り上がり、世界的にも評価される作品が出てきた昨今、せめて国内産のゲームだけでも、もっと低価格化を進めて欲しい、例えばいたずらに同人を製品化して価格をあげるのではなく、価格は抑える努力をして欲しいと願っています。(もちろん現時点でも頭を悩ませていらっしゃると考えます)
レンフィールドは国産じゃありませんが、まあそういう方向へのキッカケになれば良いなと。
少ロット低価格を活かして欲しいなと。

恐らく、日本人のごく一般的な感覚として、ボードを使ったゲームであれば2,000円~2,500円くらいの価格帯でなければ手がでません。現に、タカラトミーやバンダイが出すボードゲームは、定価は3,000円台後半のものが多いものの、実売は大体2,000円~2,500円に収まっています。 

例えば、実売2,000円未満の「ドラゴンクエスト スライムレース」
非常に豪華なコンポーネントで私などはその価格に驚きますが、一般的にはあれが基準と言っても過言ではないとも思っています。

これがカードゲームなら、一般的に出せる金額は、せいぜい1,000円ではないでしょうか? 

ドイツではカードゲームは大抵7.99ユーロが定価で、実売は6ユーロ前後になります。
日本とそれほど金銭的な感覚は変わりません。
このくらい手軽で初めて、商品は広く浅く普及していくのだろうと。

もちろん、生産のロットが雲泥なので、単純にドイツと比較はできませんし、いきなり同じ価格帯、同じ仕様のものを提供するなんて絶対に無理だと思いますが、 生産者にはそこに近づけることを頭の片隅にでも置いていただけていれば良いなぁと。「良いものを安く作る」は日本のお家芸だと思いますので、ボードゲームでも是非発揮して欲しいなと常々思っています。
完全に畑違いなので願望として。

余談ですが、私が初めてプレイしたユーロゲームは「ブラフ」です。
楽しかったので早速買おうと思ったら4,000円もして、その高さに驚いたものです。
もうだいぶ麻痺していますが、恐らくこの感覚が普通なんじゃないかなと。 

国内市場がもっと盛り上がらないと低価格化は難しいかもしれませんが、盛り上げるためには低価格化をもっと進める必要がある……卵が先か鶏が先かみたいな話になってしまいますが、「市場が盛り上がったらやる」だとあまりにも抽象的な守り姿勢な気がしますので、レンフィールドのように攻めの商品が出てくるのは嬉しく思います。是非、頑張って欲しいです。

そんな感じで、今日も「どうでもいい話」でした。

ではでは。


 

小学生とのボードゲーム雑感

ボードゲームは、20代後半から30代後半くらいまでがメインのプレイヤー層であると言われており、実感値としてもその年齢層が多いと感じておりますが、低年齢層も僅かながら存在しており、最近では、当方が主催する「調布のあな」にも小学生(3年生?)が毎月楽しみに参加してくれているようで、大変嬉しく思っております。

比較的プレイヤーの年齢層が高めである業界に於いて、小中学生ほどの年齢層の参加は大変貴重であり、そのままフリークとして歳を重ねることは無いとしても、幼少期に得た経験が、何れかのきっかけで大人になってから呼び起されることはままあることで、ゲーム会への参加がその下地となってくれればと常々考えておりました。
そんなおり、小学校でのボードゲーム会開催のお話がありまして、昨年よりお手伝いをさせていただいております。

保護者の方々としては、親同士、子供同士の親睦を深める会として開催されているかと思いますが、その目的はもちろん叶えさせていただく一方で、前述したような思惑を以てボードゲームの普及が出来れば良いと思った為、ボランティアを買って出ました。

昨年は暗中模索も甚だしく、ただ目の前の子供たちと楽しく過ごすことだけを考える数時間でしたが、本年は2回目ということもあり、若干の精神的余裕も生まれ、また、前回を上回る協力者のお蔭で、多少ではありますが観察する余裕と考察する余裕も生まれました。
次回以降、またお声掛けいただけることを想定しつつ、他の場所でも同じような活動を予定されている方もいらっしゃるかもしれませんので、気付いたこと、気にすべきこと、それら傾向と雑感をまとめておこうと思います。

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■子供はボードゲームの事を何も知らないと知ること

まず最初に感じたのは、今まで私が触れていた「ゲーム会に(能動的に)お越しいただくお子様」は、正に英才教育の施された「手続きを知っている子」「ボードゲームに理解のある子」なのだということです。

大人しく着席し
ルール説明を素直に聞き
順番を守ってプレイする

こう書くと、非常に基本的な、最早ボードゲームとはあまり関係ない次元の話のように見えますが、まずはここからです。
今回インストした小学3年生および小学4年生を対象として見ると、このあまりにも基本的な部分から問題が発生します。当方のゲーム会にお越しいただく9歳のお子様については、全く問題が無い部分だったため、この時点で躓くという懸念がありませんでした。

子供たちは「ボードゲーム」を知らないのです。

「ボードゲームを知らない」というのは、「ゲームのシステムやルールを知らない」ということではなく、それ以前の段階「ボードゲームは直感的にプレイ出来るものが非常に少ない」という部分を知らないということであり、プレイするに至るルール説明などの「手続き」「手順」といったものがあることを知りません。故にルール説明を聞かなかったり、順番を守らなかったりします。

ここは非常に難しいところで、ただ「楽しむ」ということが目的なら本来のルールやシステムなど要らないのかもしれません。彼らは、遊んでいて解らないところがあったとしても、マイルールを作って勝手に遊びます。それで十分に楽しめているのかもしれません。

故に「手続き」を厳格に行うことが正しいかどうかは難しい部分ではありますが、一応ボードゲームを楽しんで貰う会であるため、ルール説明等行っています。
しかし、前述したように子供たちはその必要性を知らないため、興味を持ちません。

ただ、前回を想いかえしてみれば、あまりこの部分が気になるようなことがありませんでした(多少は感じていましたが、それほど大きな障害である認識はありませんでした)なぜか?

前回にあって、今回にないものは何か?どう影響しているのか?ここでひとつ、仮説を立ててみました。

■ボードゲームは親子ではじめる遊び

前回にあって今回にないもの、解り易いところで私は「保護者」ではないかと考えました。
前回は、保護者1に対して、お子様はせいぜい1.3程度の割合で、ほぼお子様は保護者同伴で参加されており、ゲームについてもお子様と保護者の方とで同卓で遊ばれている風景が目立ちましたが、今回はお子様のみの参加が多く、保護者の方1に対して、お子様は5ほどの割合でした。

前回ではあまり見られなかった子供だけの卓も多く、そういった子供だけの卓では顕著に子供たちの奔放さが発揮されておりましたが、保護者の方が同席されるだけで、同席された方が直接的に自分の母親でなくとも子供たちは静かになりました。お子様個々の性分は変わらない故、集中力を持ってルールを聞くまでは至らないお子様もおりましたが、総じて「聞く体制」までは整っていたと思います。

子供の意識としては、知り合いの大人、もしくは直接的な親を前にして、緊張感が生まれただけかもしれませんが、たったこれだけのことでゲームが成立しやすい環境が出来ることは憶えておきたいと思いました。

転じて、やはりボードゲームを遊ぶ環境づくりは家庭から発することが望ましく、子供のころからゲームを楽しんで貰うには不可欠な要素であることを痛感しました。

また、今回の様な外(余所)で楽しむゲーム会についても、お子様が10歳くらいまでは親子で参加していただくことが、楽しいプレイ環境の構築は元より、運営側としてもスムースな進行が可能であるため望ましいと強く感じました。

■子供は飽きが早い

9歳、10歳の年齢は大人が考える以上に「考える力」を持っています。故に想像以上に難しいルールを理解してゲームをプレイすることが可能ですが、いかんせん「集中力」についてはまだまだ身についていないため、飽きが早いです。
これは前述した「ルールを聞いていられない」という内容にも関連しますが、ルールのみならず、プレイ中も集中力が散漫し、「つまらない」と感じた瞬間にゲーム自体を放り投げてどこかへ行ってしまうことも少なくありません。

大体、ゲームとして20分程度、インスト込みでも25分程度のゲームが集中力の限界であり、また、時間もさることながら決して単調にならない、適度に考える力を要求するゲームでないと、これもまた飽きが早いです。

この点から「子供はシンプルで解り易いゲームが良いだろう」という考えは多分に誤解を含んでおり、「シンプルで解り易い」は良い要素ですが、これがお子様たちに「簡単」「単純」と読み取られてしまうと、すぐにそっぽを向かれてしまいます。私も「シンプルなゲームを持って行かなければ!」と、当初決め付けて望んだ節があり、学ぶところが多々ありました。
そんな経験からの失敗例(=子供に喜ばれると思っていたが、あまり喜ばれなかったジャンル)をいくつか挙げてみようと思います。

まず、「パズルゲーム」
パズルゲームは、1ゲームだけなら喜んで付き合ってくれるお子様が多いです。その1ゲームでパズルが完成すれば続けて遊んでくれますし、パズルが完成しなければ「つまらない」と投げてしまいます。更にパズルが出来ない場合は、制限時間内でもパズルを放棄するお子様が多数おり、分かりやすく「出来る」「出来ない」が面白さに直結していることが伺えます。

次に「お絵かきゲーム」
お絵かきゲームもパズルと同様に「上手く描けるか」「描けないか」がそのまま面白さに直結しているようで、あまりゲームとしての評価はされませんでした。ただ、自分の絵と他のプレイヤーの絵を見比べる行為自体は楽しいようで、テレストレーションはそれなりに気に入って貰えた様子です。

最後に「アクションゲーム」
これも意外なのですが、全てとは言いませんがアクションゲームはあまり受け入れられない傾向がありました。前述した2つと同じように「失敗したらつまらない」となってしまうためです。アクション要素自体は喜ばれますが、そのアクションが勝敗に直結すると、失敗したときにつまらなく感じてしまうようです。
そもそもフィジカル的な問題として、子供のアクション精度は低いため、大人が考える以上にアクションゲームは苦戦します。
ただ、1つだけ、アクションによって上に伸びていくタイプのゲームは喜ばれます。これは単に見た目から高揚感を得られているのではないかと考えられます。

■子供は勝敗が全て

子供にあまり喜ばれなかったジャンルを見ると、子供が「面白い」と感じるために何処に重点を置いているのかが見えてきます。

簡単に言えば「勝ち」は楽しくて、「負け」は楽しくないのです。

ゲームである以上至極当然な感情だと思いますし、ボードゲームは勝ち負けを決めるシステムですから非常に素直にプレイしているのだと思います。

故に勝ち負けがハッキリしているゲームが好まれる傾向があり、加えて大人はあまり勝ち負けを重視しないような「ディクシット」でさえ、子供たちは勝ち負けにこだわります。
家族でゲームをプレイする際は「負け役」と「勝ち役」を決めておいて、一方は常に負ける接待役としてお子様の自尊心を満たしつつモチベーションを上げ、一方はなかなか勝てない越えるべき壁として悔しさを植えつけ、やはりモチベーション向上を図る。そんな役割分担が出来れば、上手く子供のモチベーションを維持することができ、ボードゲームを長く楽しんで貰えるかもしれません。

■さいごに

長くなってしまいましたが、前述した内容は一般的な小学校3・4年生の話であって、恐らくこの年代はボードゲームの経験を積むことでもっと精度の高いプレイングが可能な年代です。集中力も、ゲームへの理解度が深まるほどに身についてくると思いますし、今までプレイ欲のなかったゲームにも取り組めるかと思います。

ただ、「初めてのボードゲーム」という話であれば、今まで大人が抱いていたイメージには多分に誤解が含まれていることを伝えたく、また、それが活かせる場面がもしあるならば是非活用していただければと思った次第です。

これらはボードゲームに限ったことではなく、子供たちがどのような行動原理を持っているか?どのようにしたら物事がスムースに動かせるか?といった部分で通じるものが多分にあるかと思いますので、色々なイベントで子供を対象とする際に参考になればとも思います。

最後に、今回子供たちに喜ばれたゲームについては敢えてあまり詳しく触れませんでした。
以前の日記にも多少は載せていますが、今回の日記の思惑として「○○が喜ばれるなら持参しましょう」といった「定番」を伝えることが目的ではないからです。

どのゲームを面白く感じるかは人それぞれであるため、一概に「面白い」「喜ばれる」と言えないという理由もありますが、もうひとつ大事なのは、「子供たちにどんなゲームが喜ばれるのか?」とレコメンドされたゲームを一様に右に倣えでプレイするのではなく、本文を読んでいただいた各人が考え、遊び方を想定し、ゲームを選ぶことから始める。そうすることで「どこに行っても同じゲームが遊ばれている」という状況を回避し、結果的に子供たちにたくさんのゲームに触れてもらえればと思っています。

まあとは言え、失敗することもあるでしょうし、思いのほか成功することもあるかも知れません。
しかしながら、そういった経験が全体としての経験値となり、よりよい環境を生み出すものだと考えています。

みなさんで試行錯誤しオリジナリティ溢れるイベントを作って欲しい、そして、そのうえで失敗談、成功談などありましたら、その事例を全体の経験として次につなげるために、是非お聞かせいただければありがたいです。


そんな感じで、長くなりましたが 今日も「どうでもいい話」でした。

ではでは。

【改めて】ゲーム会で初心者にオススメしたいボードゲーム10選

下書きを書きつつタイマーセットしていたことをすっかり忘れていて
体調悪くて寝ていたら日記が上がってしまいました。

ということで改めて

ゲーム会をやっていて、初心者さんにウケが良いオススメゲームを10個ほど選んでみました。
ボードゲームに興味を持った友人知人ご家族に勧めてみてはいかがでしょうか?

きっとボードゲームの世界に寄ってきてくれるハズ!

今回選ぶにあたってカードゲームは省きました。
カードゲームを選ぶと、半分以上カードゲームになってしまいそうなので、敢えて。
ちなみに、並び順は順位付けしているわけではありません。
全部同列くらいで考えています。

■テレストレーション
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大人も子供も楽しめるお絵かき連想ゲーム。
絵をなぞりながら答え合わせするときが最高に盛り上がります。
テンデイズさんから日本語版も出ているので入手しやすい鉄板ゲーム

■ファウナ
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こちらも最近、日本語版が出たのでお求め易くなっています。
動物の大きさや体重などを予想する単純なゲームですが、よほどメジャーな動物で無い限り、皆が手探りに適当なことを言い出し、何が本当かわからなくなるため、正解に一喜一憂します。
インストが簡単なところも◎

■ブラフ
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その他のとおりブラフゲーム。全員の持つダイスの目の数を当てるだけのゲームなのに、嘘とハッタリが確率論を越えたドラマを生みます。
ゲームは分かりやすくて、ダイス目は分かり辛い、そんな鉄板ゲーム。

■タケノコ
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正直、ゲームの内容は全く初心者向けではないかもしれません。
ある程度慣れて来たころに出した方がよいと思いますが、このゲームはなんといってもコンポーネントが可愛い&投了時の見た目が綺麗という、ゲーマーならずともちょっと心が踊る見た目です。
ゲームの内容は可もなく不可もなく。ちょっとした戦略性のあるゲーム内容を「見た目」のオブラートに包んでライト層にも進められるゲームにしています。

■バルバロッサ
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粘土で作ったお題を当てるという目的のシンプルさと、各プレイヤーが作った作品の面白さから鉄板で喜ばれるゲーム。
欠点は、システムが多少ゴチャゴチャしているのでインストが若干難しい点。でも、それを差し引いてもライト層へのウケが非常に良いので重宝しています。
最近はメイフェア版が安定して出回っているので比較的手に入りやすいかと。

■シャドウハンターズ
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「シャドハン」の愛称で親しまれる正体隠匿系の和製ゲーム。
途中脱落がありつつも、比較的短時間で終わることとで理不尽感は薄く、魅力あるキャラクターのお陰でリプレイ欲が出るゲーム。
非常にカジュアルに正体隠匿系のゲームを楽しめる優良ゲームですが、国内ではなかなか手に入らないのがネック。

■ディクシット
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写真はboardgamegeekより拝借。
出題されたお題に対して各プレイヤーがどんなイメージを持っているのか楽しむゲーム。知らない人達で遊んでも面白いが、気心の知れた仲間内でプレイすると本当に盛り上がる。
また、女性に人気が高いので、ボードゲーム初心者の女性には真っ先に勧めたい。プレイする際には、オデッセイまで揃えるとプレイ可能人数も増えてよい感じ。

■ストライク
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簡単お手軽ダイスゲーム。
インスト1分。すぐ始めることが出来て、ゲーム自体もすぐ終わる。
展開によっては非常に地味に終わることもあるので、初心者の人とプレイする際には、アリーナからダイスが飛び出してしまうくらい少し派手目にダイスを振ってダイスの目を変えるプレイを見せるのが良いかも?
軽いゲームの新定番。

■ワニに乗る
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写真は「回してドボン」
アクション性のあるゲームはとっつきやすく盛り上がりますね。
「ワニに乗る」は単純に積むだけのアクションゲームではなく、ダイスによる+αが良いアクセントとなって盛り上がります。
そして、オススメしたいのが「ワニに乗る 回してドボン」
追加ルールによってよりパーティー色の強い、エキサイティングなゲームになっています。

■ハムスターロール
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これまたアクションゲームの超鉄板。
いかに重力に逆らって積み木を置くか?というだけのものですが、見た目にも楽しい、アクションも楽しいゲームになっています。
ちょっと広めの場所がないとプレイしにくいので、ゲーム会にうってつけです。


以上、思いっきり私的な観点で10点選んでみました。
ポイントとしては、ゲームの目的がハッキリしていることと、ゲームのシステムが難しすぎないことでしょうか?
直感的なシステムは初心者のみならず喜ばれますね。

また、コンポーネントの見栄えという要素も興味を引くに足る要素のようで、そこさえクリアすれば、タケノコのように比較的戦略ゲームしているものでも受け入れられていました。

入れるかどうか悩んだ「次点」は「ウボンゴ」や「アベカエサル」「髑髏と薔薇」あたり。これらが劣っているというわけではなく、ここまで来ると最早私的な印象ですw

あくまで、調布を基点とした初心者向けゲームなので、他のゲーム会ではあまり喜ばれないかもしれません。
他のゲーム会では初心者の方にどのようなゲームを勧めているのか?喜ばれているのか?気になります。

そういうゲームを共有できると、色々な場所で初心者さんに上手くボードゲームの面白さが伝えられるようになり、ボードゲーム界隈の裾野も広げやすくなるのかなぁなんて。
ちょっとした妄想もしています。

そんな感じで、今日も「どうでもいい話」でした。

ではでは。
 
調布のあな
次回の「調布のあな」は
8月15日(土)開催となります

詳細&参加表明はコチラ
↓↓↓
http://twipla.jp/events/154272
ただいま紹介期間中です



【調布のあなスケジュール】

・第55回:2015年 8月15日(土)

・第56回:2015年 9月 6日(日)

・第57回:2015年10月11日(日)

・第65回:2016年 4月 9日(土)

・第66回:2016年 5月14日(土)

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ギルティギア界のそらい館長であり、「調布のあな」のかんちょーです。今は監査のお仕事…でも人を楽しませる仕事にしか興味アリマセン!カピバラさんには超思い入れアリアリアリーデヴェルチ!最近すっかりボドゲ野郎、あとお酒があれば本望!知り合い及びorそらい館知っているという方はリプライ下さい~フォロー返します